平成29年3月の幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領の改訂が公示され、学習指導要領が変わることが明らかになっています。
改訂の基本的な考え方
○ 教育基本法、学校教育法などを踏まえ、これまでの我が国の学校教育の実践や蓄積を活かし、子供たちが未来社会を切り拓くための資質・能力を一層確実に育成。その際、子供たちに求められる資質・能力とは何かを社会と共有し、連携する「社会に開かれた教育課程」を重視。
○ 知識及び技能の習得と思考力、判断力、表現力等の育成のバランスを重視する現行学習指導要領の枠組みや教育内容を維持した上で、知識の理解の質をさらに高め、確かな学力を育成。
○ 先行する特別教科化など道徳教育の充実や体験活動の重視、体育・健康に関する指導の充実により、豊かな心や健やかな体を育成。文部科学省 学習指導要領のポイント等http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384662.htm
国は、変化の激しい先の見えない世の中で、自分で考え、行動することで、社会を創っていけるような人材の育成に舵をきりました。
今回の改訂のポイントは、「主体的・対話的で深い学び」
学校の事業も知・徳・体にわたる生きる力を育むため、「何のための学ぶのか」という学習の意義を共有しながら、これまでとは違う工夫がなされた授業に変わっていきます。
大学入試でも、答えの無い課題を問うなど、これまでとは明らかに異なる能力を見ているものも出てきています。
特に小学校前の幼稚園教育要領については
・「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿の明確化」として、以下のような項目が発表されています。
「健康な心と体」「自立心」「共同性」「道徳性・規範意識の芽生え」「社会生活との関わり」「思考力の芽生え」「自然との関わり・生命尊厳」「数量や図形・標識や文字などへの関心・感覚」「言葉による伝え合い」「豊な感性と表現」
文部科学省 学習指導要領のポイント等http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384662.htm
知識及び技能だけでなく、思考力、判断力、表現力、倫理や自然への興味、学びに向かう力、人間性、他社とのコミュニケーションなどを伸ばすことがより求めれられるのです。
新たな学習方法 アクティブラーニングとは
文部科学省の定義では、「教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称」とされています。
認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図ることを目的に、グループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等を行うものです。
従来の授業が、教師が教壇に立って一方的に話す、児童・生徒が聞くというスタイルでしたが、アクティブラーニングは、グループ討議や発表、ディベート等、教師は生徒を巻き込み、生徒も主体的に関わっていくことが求められます。
アクティブラーニングの情報を集めたり、自分で考えたりする過程では、自然と自分で学習をしなければならず、逆に自ら主体的に学ばなければ得るものは少ないものになってしまいます。
アクティブラーニングは、現場の先生たちにとっても、大きな負担となっており、どれくらいのスピードで導入が進むかは見えない部分もありますが、大手の予備校や教員研修センター等で学校の先生向けの講座が盛況なのを見ると、今後はこのような授業は増えていく傾向にあると思います。
こうした、アクティブラーニングからも多くを学ぶためにも、幼児期の段階で、
自立心、共同性、道徳性・規範意識、社会生活との関わり、思考力、自然との関わり・生命尊厳、数量や図形・標識や文字などへの関心・感覚、言葉による伝え合い、豊な感性と表現等を意識して学んでおくことが重要となってきます。
幼児教育でのポイント
幼児教育としては、親子のコミュニケーションがより重要になっていきます。
コミュニケーションといっても単に話すことが出来るようになるだけではなく、一緒に本を読んで語彙を増やしてあげることや、質問をして考えさせたり、自分でやるように行動を促したりすることも含まれます。
子供は何よりご両親から多くのものを学びます。
言葉遣いや考え方だけでなく、幼児教育の過程をご両親も心から楽しんで、熱心に取り組むことで、子供がわくわく、楽しんで学習する心を育みます。
そのことは、後々の人間性の形成にも大きく影響します。
今回ご紹介した、幼児期の終わりまでに育って欲しい姿をイメージしながらぜひ多くのコミュニケーションを育んでいただければと思います。