こんにちは
ひといく@2児の父親です。
今回は、オススメのTED紹介です。
アン・モーガン『世界中の国の本を1冊ずつ読んでいく私の1年』です。
TEDの概要
ある時自分の本棚を見てみたときに、英国や北米で書かれた書籍しかないことに気づいた、アン・モーガン氏。
彼女は、世界の国々で書かれた翻訳書をほとんど読んだことがないという事実を非常に恥ずかしく思ったそうです。
そこで、ロンドンオリンピックが開かれる、2012年に世界のあらゆる国で書かれた 小説や短編集 自叙伝なんかを 読んでやろうと思ったそうです。
そこで彼女の取った行動が実にユニークでした。
現代社会を自分の頭で考えて、自らの道を切り開くヒントになると思いますので、ご紹介します。
動画はこちら
ここが良かった
英国で毎年出版される文学作品のうち翻訳書は約4.5%だそうです。
つまり、英語で読める作品がほとんど出版されていないない国も非常に多いそうです。
そこで彼女はこんなふうなアプローチから開始しました。
助けを求める 必要がありました それで2011年10月に ブログを始めました 「世界を読む1年」です (ayearofreadingtheworld.com) そして短いお願い文を 投稿しました 自己紹介をし 自分の読書の幅が いかに狭かったかを説明し 気にかけてくれる人たちに 世界の他地域の本の どれを読んだらいいか 意見をお願いしました 興味を持ってくれる人なんているのか 全く分かりませんでしたが お願いを投稿して 数時間もしないうちに 連絡が届き始めました 最初は友達や仕事仲間からで それから友達の友達 そのうち見知らぬ人からも 来るようになりました
彼女がやったことは、ブログを通じて世界に発信したことでした。
まったくわからないというオープンな彼女のスタイルに世界中の人々が協力していきます。
興味深い活動や生き方をしている人を支援したいというのは万国共通です。
お願い文を載せた4日後 クアラルンプールのラフィダという女性から メッセージを受け取りました 彼女は私の計画に 好印象を抱いたと言い 英語の本を扱う 地元の本屋に行って マレーシアの本を選んで 送りましょうか?と言うのです 私は諸手を挙げて歓迎しました 数週間後 小包が届き 中には1冊ではなく 2冊の本が入っていました ラフィダが選んでくれた マレーシアの本と それにもう1冊は シンガポールの本です その時 私は 1万キロ以上離れた所の 見知らぬ人が 一生会うこともないだろう 人間のために そこまでしてくれたことに 驚きました
心を開いてお願いする彼女にこの後の1年間で様々な人からの助けが訪れます。
未発刊のものや自費出版のものを送ってくれた方、わざわざチームで翻訳までしてくれた方々も現れました。
彼女はこの出来事事について、自分のことをこう話しています。
世界の本を読む1年で たびたび発見したことですが ここでも 私の無知と 自分の限界を明け透けにすることが 大きな機会につながりました
無知と限界を明け透けにする。
私が最も感心したのは、この部分です。
今回彼女が取らなかった戦略があります。
それは、自分で翻訳したり、語学力を付けようとは思わなかったことでした。
努力をすることが決して悪いわけではありませんが、おそらく自分で何とかとようとしたら1年では到底達成できなかったはずです。
無知と限界を人に伝えて人の懐に飛び込むことが、この偉業を達成する唯一の方法だったのかもしれません。
また、異文化の本を読むことの直接のメリットを次のように話しています。
この年に読んだ本は 多くの点で目を開かせてくれました 読書を楽しむ人なら 知っているように 本には 私たちを 自分の外に引っ張り出して 他人の心の中に投げ込む 素晴らしい力があります それによって 束の間かもしれませんが 違った視点で 世界を見ることができます それは居心地が 悪い場合もあります とくにその本が 自分とは大きく異なる 価値観を持つ文化の ものの場合には でも そこには大きな 学びの可能性があります 馴染みのない考えと格闘することで 自分の考えが明確になります そしてまた 世界を見る上での 盲点が露わにもなります
文化や習慣の違う様々な人から支援をられたことは、普段から様々な本を読んできたことが大きいのと感じます。
本をたくさん読み、なるべく多くの異文化に触れていたからこそ、様々な文化の違う人々から共感を得られたのではないかと思います。
つまり読書そのものがこのような行動を産み出した要因の一つだと思います。
現代に必要な能力を考えてみると
アン・モーガン氏の『世界中の国の本を1冊ずつ読んでいく私の1年』は、教育場面にどのように活かせるのでしょうか。
まず、大きな成果を産み出すには、そもそも自分でやりたいということを明確にする必要があります。
そのため今回のテーマとなっている読書はもちろんのこと、様々な体験をして、それを自らの経験としてしっかり身に付ける必要があります。
それには経験から学んだことは何か、自分の強みは何か、どんなことならできそうかなどを常に確認するような内省が有効です。
また、考える土台となる知識や能力も必要になるため、読書や基礎的な学習も疎かにできません。
そして、今回の事例でも、やりたいことは
自分の言葉で素直に周囲に発信することでその実現可能性が高まることを示しています。
AIやインターネットが今後さらに発展すれば、人との関わりやコミュニケーションの重要性が増していきます。
だからこそ自分の考えを文章や口頭で表現できる能力は、自らのキャリアを切り開くうえでも、これからの時代に必須のスキルと言えそうです。
まとめ
今回は、アン・モーガン氏の『世界中の国の本を1冊ずつ読んでいく私の1年』をご紹介しました。
これからの時代を生き抜くため、自分から発信すること、支援受けて行動することの重要性を感じさせる好事例だと思います。