1 はじめに

「MECE(ミーシー)」という考え方を知っていますか?これは、「モレなく・ダブりなく」物事を整理する方法で、コンサルタントやビジネスパーソンの間ではよく知られているフレームワークです。
今回は、このMECEの具体的な進め方を理解してもらうために、「新入社員の早期離職」という実際のビジネス課題をテーマに、どのように問題を整理していくかを紹介します。感覚的に思いついたことを並べるのではなく、きちんと分類して考えることで、課題がより明確になり、対策も立てやすくなります。
2 新入社員の早期離職について課題を挙げる
まずは、ありがちな課題をできるだけ多く洗い出してみましょう。ここでは代表的なものをピックアップしています:
- 配属された業務内容が希望と異なる
- 仕事のやりがいを感じにくい
- 業務量が多く残業が多い
- 上司とのコミュニケーションが少ない
- 職場の雰囲気が合わない
- 相談しにくい環境
- 給与や福利厚生に不満がある
- 評価制度が不透明
- キャリアパスが見えにくい
- 研修内容が実務に活かせない
- OJTのサポートが不足している
- 成長を実感できる機会が少ない
- 入社前のイメージとのギャップ
- 自己理解が不十分だった
- 働く目的や価値観が曖昧
このように、一見バラバラに見える課題も多くあります。
※ここでは、これ以上の要因は無いものと仮定します。
3 課題をカテゴリにわける(MECEの考え方で整理)
次に、上記の課題を「モレなく・ダブりなく」カテゴリに分類してみます。重複をなくし、同じ観点に属するものをグループ化することで、整理された構造になります。
カテゴリ別の分類
仕事内容
- 配属された業務内容が希望と異なる
- 仕事のやりがいを感じにくい
- 業務量が多く残業が多い
人間関係
- 上司とのコミュニケーションが少ない
- 職場の雰囲気が合わない
- 相談しにくい環境
待遇・制度
- 給与や福利厚生に不満がある
- 評価制度が不透明
- キャリアパスが見えにくい
教育・支援
- 研修内容が実務に活かせない
- OJTのサポートが不足している
- 成長を実感できる機会が少ない
個人要因
- 入社前のイメージとのギャップ
- 自己理解が不十分だった
- 働く目的や価値観が曖昧
4 表形式での整理(MECEの見える化)

以下の表は、MECEの考え方に基づいて「新入社員の早期離職に関する課題」を整理したものです。
カテゴリ | 課題内容 |
---|---|
仕事内容 | 配属された業務内容が希望と異なる |
仕事のやりがいを感じにくい | |
業務量が多く残業が多い | |
人間関係 | 上司とのコミュニケーションが少ない |
職場の雰囲気が合わない | |
相談しにくい環境 | |
待遇・制度 | 給与や福利厚生に不満がある |
評価制度が不透明 | |
キャリアパスが見えにくい | |
教育・支援 | 研修内容が実務に活かせない |
OJTのサポートが不足している | |
成長を実感できる機会が少ない | |
個人要因 | 入社前のイメージとのギャップ |
自己理解が不十分だった | |
働く目的や価値観が曖昧 |
5 カテゴリごとの対策のヒント
最後に、各カテゴリごとにどんな対策が考えられるか、簡単にアイデアを添えておきます。
-
仕事内容:本人の希望を事前に丁寧にヒアリングし、ミスマッチを防ぐ配属を検討する。
-
人間関係:1on1ミーティングの導入や、メンター制度でコミュニケーション機会を増やす。
-
待遇・制度:評価の透明性やキャリアの見通しを説明する場を設ける。
-
教育・支援:実務につながる研修と、成長を実感できるフィードバック機会を設計する。
-
個人要因:入社前からの自己理解を深めるワークや面談を取り入れる。
こうした視点で対策を考えていくと、単に「辞めないようにする」ではなく、「働きやすく、やりがいを感じられる環境づくり」へとつながっていくと考えられます。
まとめ
MECEの考え方を使えば、複雑に見える問題も整理して全体像をつかむことができます。今回は「新入社員の早期離職」という具体的なテーマで課題を分類しましたが、他の課題でも応用可能です。
まずは「思いついたことを書き出す → 分類してみる」このステップから始めてみてください。整理する力がつけば、問題解決のスピードもぐっと上がります。
コメントを投稿するにはログインしてください。