1 はじめに

マネジメントにおいて重要とされるスキルの一つが「ロジカルシンキング(論理的思考)」です。これは、物事を筋道立てて考え、状況を整理して正確な判断を行うための思考方法です。現代のビジネス環境は複雑化・スピード化しており、感覚や経験だけに頼ったマネジメントでは対応が難しくなっています。本記事では、マネジメントにロジカルシンキングって何?というところから振り回されず自分のものにするため何ができるのか、具体例を交えながらお話したいと思います。
2 ビジネスシーンで役立つロジカルシンキング
ロジカルシンキングとは、物事を明確にし、論理的に筋道を立てて考える思考法です。課題を分解し、因果関係を明確にして、矛盾のない説明や解決策を導き出すために用いられるのは皆さんご存じかと思います。ビジネスでは、問題の本質を見抜いたり、関係者に納得感のある説明を行う上で欠かせないスキルです。
ただ、ロジカルシンキングは、ビジネスやマネジメントの場面でしばしば耳にするワードであり、当然、多くの人がご存じかと思いますが、「実際にそれって本当に役に立つの?」と感じている方も少なくないかもしれません。
ロジカルシンキングには「感情や直感を排除しすぎる」「創造性や柔軟性が損なわれる」といった懸念もあります。論理だけに偏ると、感情の機微を読み取れなかったり、状況によっては冷たい対応になってしまうこともあります。
それでもなお、ロジカルシンキングがビジネスシーンで必要とされるのは、マネジメントの現場では限られた時間や情報の中で迅速かつ的確な判断が求められるからです。論理的に整理された情報や意思決定のプロセスは、周囲との信頼関係を築き、納得感ある行動につながります。感覚や経験と論理をバランスよく使い分けるためにも、ロジカルシンキングはマネージャーにとって身につけるべきスキルです。
こで今回は、単なる知識で終わらせず、マネージャーが実践的に活かすために、まずはロジカルシンキングの基本を簡単に整理しておきましょう。
3 ロジカルシンキングをマネジメントへの応用する
ロジカルシンキングについて、次に気になるのは「で?実際の業務でどう活かせるの?」という点ではないでしょうか。ここからは、マネジメントのさまざまな場面でロジカルシンキングがどのように応用できるのかを、具体的に見ていきましょう。
3-1 問題解決に活かす
マネージャーは日々、チームや業務の中で発生する様々な課題に直面します。例えば、プロジェクトの納期遅れが発生した場合、表面的な原因(作業の遅れなど)にとどまらず、「なぜその遅れが発生したのか」を深掘りする必要があります。ロジカルシンキングを活用すれば、「作業負荷の偏り」「情報共有の不足」「タスク見積もりの誤り」など、根本原因を洗い出しやすくなります。
3-2 会議や報告の説得力を高める
上司への報告や会議での発言などにおいて、ロジカルシンキングを取り入れると、説得力が格段に上がります。たとえば、PREP法(Point→Reason→Example→Point)を使って「結論→理由→具体例→再主張」の順で話を展開すると、相手にとって理解しやすく、納得感のある説明が可能になります。
たとえば、「この提案は実施すべきです(Point)。なぜなら、現在のプロセスには大きな非効率があるからです(Reason)。実際、先月のレポートでは、対応に通常の1.5倍の時間がかかっていました(Example)。したがって、提案を進めることで業務効率の改善が期待できます(Point)」というように、明確な構造で話すことで、承認や協力を得やすくなるという効果があります。
3-3 メンバーの育成に役立てる
部下指導の場面でもロジカルシンキングは有効です。たとえば、部下がトラブルの報告をしてきたとき、「なぜそうなったのか」「その背景に何があるか」「次にどうすればいいか」を一緒に整理することで、部下の思考力を育てることができます。また、フィードバックの際も、感情的な指摘ではなく、事実や行動に基づいて論理的に伝えることで、納得感のある成長支援が可能になります。
4 ビジネスに活用できる基本的なフレームワーク

ここでは、マネージャーが実務で活用しやすい代表的なロジカルシンキングのフレームワークをいくつか紹介します。状況整理や意思決定、チームへの説明や指導など、さまざまな場面で応用できます。
- MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive):漏れなくダブりなく情報や選択肢を整理する思考の枠組み。問題の全体像を把握したいときや、課題を構造的に分解したいときに有効。
- ロジックツリー:課題を要素に分解して「なぜ?」「どうやって?」と掘り下げていくツール。原因分析や解決策の整理に役立つ。
- ピラミッドストラクチャー:結論から始め、理由や根拠を階層構造で展開する構成。プレゼン資料や報告書、会議での説明などに活用できる。
- PREP法:結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→再主張(Point)の順で話すことで、説得力を高める定番の話法。口頭説明や報告時に有効。
これらのフレームワークを使い分けることで、論理的にわかりやすく整理された伝え方ができるようになります。
以下関連記事で、MECEのステップの具体的な進め方をご紹介していまのでよかったらみてください。
5 まとめ
マネジメントの現場において、ロジカルシンキングは「問題の本質を見抜く力」「説得力のあるコミュニケーション」「人を育てる力」として大きく役立ちます。これらを日常的に意識して活用することで、マネージャーとしての信頼性や判断力が高まり、チーム全体のパフォーマンスも向上していきます。
まずは、小さな場面で構いません。日々の会話や会議、報告などで「筋道を立てて考える・話す」ことから始めてみましょう。
コメントを投稿するにはログインしてください。